「菖蒲」と書いて「アヤメ」と読んだり「ショウブ」と読んだり・・・
昔の人も区別がよく付けられなかったのがその理由だそうです。
「いずれアヤメかカキツバタ」という言葉もありますが、「アヤメ」、「ショウブ」、「カキツバタ」は、実際よく似ています。
でも、やっぱりまったく別物なんです。
アヤメ、カキツバタ、ショウブの違いはどこでしょうか?
種明かしの前に質問してみましょう!
3つの花の写真を用意して、写真を見ながら違いをみつけてもらうのもいいかも。
アヤメの特徴

アヤメ科 咲く時期:5月上旬~中旬
特徴をしれば分かりやすいのがアヤメです。
前にビロンと垂れた花びらに網目模様がついています。
網目=綾目(文目)が名前の由来と言われます。
咲くのは基本的に山野なので、湿地に咲くカキツバタとは大きく異なります。
色は基本的に青紫の、いわゆるアヤメ色ですが、白もあります。
葉っぱに主脈(葉の真ん中を通る一番大きい葉脈)が目立ちません。
カキツバタの特徴

アヤメ科 咲く時期:5月中旬~下旬
カキツバタは、花の形はアヤメに似ていますが、前に垂れた花びらには網目模様はありません。
花の色は青紫から赤紫、白紋(花びらに白い筋のような模様)などがあります。
葉っぱの主脈は細くほとんど目立ちません。
生えている場所が湿地や池など水のある所です。
ハナショウブの特徴

アヤメ科 咲く時期:6月上旬~下旬
ハナショウブはアヤメを品種改良したものです。
湿ったところに咲いています。
花の色は紫、赤紫、青など。
前に垂れた花びらに網目模様はなく、黄色くなっています。
葉の主脈は大きく目立ちます。
ハナショウブとショウブの違いは?

端午の節句に入るショウブ湯。
そこで使うショウブとは、ハナショウブとは別物でショウブ科の植物です(サトイモ科とする説もあります)。
5~7月に湿地や池などに咲きます。
花は黄緑の棒状の花なので、目立ちません(上の写真)。
ショウブは「勝負」「尚武」に通じる、また良い香りがするので、端午の節句に薬湯としてお風呂に入れます。
根は漢方薬の「菖蒲根」「白菖」です。
まとめ 究極の見分けポイント
アヤメ、カキツバタ、ショウブの3つの花の違いを書いてきました。
生息地、咲く時期、花の模様、葉っぱ・・・
でも、究極の見分けポイントは花びらの付け根の模様です。
種別 | 特徴 |
---|---|
アヤメ | 黄色と白で網目模様が入っている |
カキツバタ | 白い班紋が筋のように入っている 網目なし |
ハナショウブ | 黄色くなっている 網目なし |