お彼岸って何?
お彼岸は春と秋の年2回、春分と秋分を中日(なかび)として前後3日ずつ、計7日間の期間のことをいいます。
彼岸の初日は「彼岸の入り」最後の日を「彼岸明け」といいます。
どちらのお彼岸も仏壇や仏具をお手入れしたり、お墓参りに行くのが習慣となっていますし、各地のお寺でも「彼岸会(ひがんえ)」が行われます。
お彼岸にお墓参りをするのは日本だけだそうで、由来ははっきりしていません。
一説には、聖徳太子が仏教を広めるために先祖崇拝と結び付けたからと言われています。
「彼岸」とは煩悩を超えた迷いのない境地である「あの世」のことです。
春分、秋分とも太陽が真東から昇り、真西に沈みます。
西にはあの世があると考えられていたので、真西に沈む太陽に(あの世)に向かって参ったり、お墓参りしたりなどの風習が生まれたのかもしれませんね。
【Q1】あの世は「彼岸」です、ではこの世は何といいますか?
【ヒント】彼岸は向こう岸という意味
【答】此岸(しがん)
こっち側の岸という意味です。
【Q2】なぜお墓参りをすると、お墓に水をかけるのでしょうか?
A 墓石を洗うため
B お花を換える時の水が余ったから
C ご先祖様ののどの渇きをうるおすため
【答】C
餓鬼の世界に落ちて、喉が渇いているかもしれないから
また、お参りに来たよという合図とか、魂を清めるためといった意味もあるそうです。
暑さ寒さも彼岸まで
昔から「暑さ寒さも彼岸まで」と言います。
春の彼岸をさかいに暖かくなり、秋の彼岸をさかいに暑さがやわらぎ涼しく感じるようになるということ。
果たしてそうでしょうか?
実は、春と秋の彼岸あたりの平均気温を比べたら、秋の彼岸の方が10℃以上気温が高いそうです。
おはぎとぼたもちの違いって?
お彼岸というと、おはぎやぼたもち。
でもおはぎとぼたもちって、どっちがどっちか分かりませんよね。
結論から言うと違いはありません、おなじものです。
食べる季節が違うので呼び名が変わっているのです。
「ぼたもち」は「牡丹餅」、つまり牡丹の花の咲くころである春に食べるから「ぼたもち」。
「おはぎ」は「お萩」、萩の花の咲くころである秋に食べらるから「おはぎ」と呼んで区別しています。
ただ諸説ありまして、
●形が大きいのがぼたもち、ちいさいのがおはぎ
●小豆を周りにつけるとぼたもち、上に載せるとおはぎ
●こしあんはぼたもち、粒あんはおはぎ
という区別をするところもあれば、一年中同じ呼び方の地方もあります。
また、あんこ以外にもきな粉をまぶしたり、関西では青のり、東北ではずんだなど地方によって様々な姿をしています。
●利用者さんと一緒に、レクでおはぎを手作りするのもいいですね。
おはぎ作りは若い頃たくさん作ったという方も多くいらっしゃるので、上手だと思いますよ。
●おはぎとぼたもちの違いをたずねてみましょう。
妖しい花、彼岸花の魅力
彼岸花は、秋のお彼岸の頃に咲く花なので彼岸花と呼ばれます。
「幽霊花」「死人花(しびとばな)」などという恐ろしげなあだ名もありますね。
でもよく知られているのは「曼殊沙華」という呼び方。
「曼殊沙華」というと、なんだかありがたい感じがします。
というのも曼殊沙華とは、仏教では天界に咲く花で、見たものの悪業を払ってくれるありがたい花です。
彼岸花のちょっと変わった特徴
あぜ道やお墓などによく咲いていますが、ちょっと変わった特徴があります。
彼岸花は土の中に「鱗茎(りんけい)という球根みたいなものがあり、お彼岸のころ茎がスルスルとのびてきて花をつけます。
もうほんとスルスルと伸びますので、何もないところにある日突如出現したように見えます。
よく見ると葉っぱはありません、茎と花だけなのです。
そして、花が咲き終わって枯れた後に葉っぱが出てくるのです。
真冬は花のない葉っぱだけの状態で過ごし、春になると葉がおちて休眠します。
花と葉の両方を同時に見ることができないので「葉を見ず、花を見ず」と言われています。
彼岸花は策士だった!その戦略とは
一般的な植物は春に芽を出し、夏花を咲かせ、葉を繁らせて秋になると枯れていきます。
よく考えてみると、秋冬を時期とする植物は種類が少ないですよね。
彼岸花はまさにそこを狙っているのです。
春夏は寝て過ごし、秋に花だけ出してササっと受粉し、寒い冬に葉を繁らせればライバルが少ないので、のびのびと光合成をして球根に栄養を蓄えることができます。
そうやって蓄えた栄養が十分にあるので、茎を伸ばす驚異的なパワーが炸裂するんですね。
彼岸花はどうしてお墓に咲くのか?幽霊との関係は?
彼岸花には「幽霊花」というあだ名がありますね。
なんででしょう?
おそらくお墓に咲いてることが多いからだと言われています。
では、なぜお墓に咲いているのか?
田舎に行くとわかるのですが、お墓だけでなくあぜ道にも咲いています。
そこら辺にもヒントがあります。
実は、彼岸花の球根部分には毒があります。
これがなかなかの毒で、人間でも死ぬことがあるようです。
彼岸花があぜやお墓に多いのは、人がその毒を利用して、モグラなどの動物から作物やご遺体(土葬のころ)を守っていたのだそうです。
まとめ
●お彼岸は春と秋の2回あり、春は春分の日をはさんで前後3日間、秋は秋分の日をはさんで前後3日間、それぞれ1週間あります。
●お彼岸はお墓参りに行ったりします。
●ぼたもちとおはぎは同じもの。
春はぼたもちと呼び、秋はおはぎと呼んでいます。
●彼岸花は、実は戦略的な花でした。
●彼岸花は毒があるので、もぐらから守るためにお墓に植えられている。
参考
当記事は一部以下の書籍を参考にしています。
本間美加子「日本の365日を愛おしむ-毎日が輝く生活暦-」(東方出版)
記念日や出来事、伝統的な行事や有名なお祭り、二十四節気についても書いてあるので、レクに備えて職場のロッカーに常駐させるべき一冊。
坪内忠太「子どもにウケるたのしい雑学」(新講社)
子どもにと書いてありますが、内容は大人も思わず「へぇ!」と言ってしまうような、幅広い雑学を分かりやすく解説。