- レクリエーションが苦手
- そもそも人前に立って何かするのが苦手なので何とかしたい
- レクを盛り上げたい
こんにちは、介護福祉士の”りこ”です。
この記事は上のようなお悩みの方に向けて書いています。
デイサービスなど高齢者施設では、レクリエーションは避けて通れません。
でもレクが苦手で苦手でしょうがない人も多くいますよね。
かくいう私も、最初はレクが苦手で、レク大嫌いでした。
なぜ、レクが苦手なのか、どうすればレク嫌いを克服できるのか、分析、試行錯誤しました。
そして自分なりに乗り越えた方法をご紹介します。
なぜレクが苦手と感じるのか、その原因
なんでレクが苦手と感じたのか、
- 人前に立つと緊張する
- 何をすればいいか分からない(間が持たない)
- 盛り上がらない
こういった原因があるのではないでしょうか?
ということで、ひとつずつ見ていきましょう!
「日常生活に支障をきたす」くらい緊張するような場合は、こちらの記事ではお役に立てない可能性があります。
そういった場合は、一度専門医の受診をお勧めします。
人前に立つと緊張する

緊張は決して悪いことではないけれど、ほどよく緊張くらいでレクをこなせるようにならないと、身が持たないのも事実。
ちょっと緊張について掘り下げてみましょう。
緊張する原因は何?
誰でも人前に出ると、少なからず緊張します。まったく緊張しない人はいないのではないでしょうか?
人前で緊張する原因としてあげられるのは
- みんなが自分を注視していると思い込んでいる
- 過去に人前で失敗したトラウマを持っている
- 失敗してはいけないと思っている
こんなところでしょうか?
みんなが自分を注視していると思い込んでいる
これは、目の前のすべての人が、自分の頭の先からつま先まで、ひとつひとつのしぐさ、何をしゃべったか、どんなことしていたかまでをガン見していると思い込んでいるということです。
そして、自分のことをどんな風に思っているんだろうとか、笑われていないかなとか気にしてしまうわけですね。
過去に人前で失敗したトラウマがある
過去に何か人前に立っていて失敗した経験を持っていると、また失敗するのでは?という恐怖感から緊張が増してしまうことはありますよね?
その記憶がよけいに緊張させて、ぎこちなくなったり、頭が真っ白になったり悪循環を呼び起こしてしまいます。
失敗してはいけないと思っている
真面目で几帳面な性格の人は、なんでも失敗なくこなさなければと思い込んでしまいがち。
例えば会社員で、大事なプレゼンや、商談で失敗したら大変でしょうが、レクで失敗ってなんでしょう?
狙い通りにウケなかった?予定外のことが起きた?
それはハプニングでむしろ「おいしい」くらいに思って笑いにつなげられるといいですね。
人前で緊張しないようにする方法

人前で緊張しないようにするには、ちょっと考え方や行動を変えてみましょう!
- 私たちはピン芸人です
- 利用者さんは微笑ましく見ていてくれる
- 失敗を恐れる人は準備を万端に
- 自分には出来ないという思い込みは場数を踏んで打破!
- 反応の良い利用者さんを活用
- 前振りを大事に
私たちはピン芸人です
私たちは、利用者さんに楽しくレクに取り組んでもらいたい。
そのために、場を盛り上げる努力もしますよね?
ウケたらうれしいし、すべったら悲しい・・・
これって、ピン芸人?
きっと、ピン芸人って、こんな気持ちなのではないか?
もうピン芸人になったつもりで行こう!
自分はここに立っている間は、ピン芸人なんだと思い込むと、吹っ切れるし、もしはずしてもプロの芸人もはずすことはあるんだから・・・と、あまり落ち込まずに次につなげられませんか?
利用者さんは微笑ましく見ていてくれてる
人前に立っている緊張感から、自分のすべてを見られていると思って恥ずかしい、変なことしないようにしなければ!と思っていませんか?
私の持つ印象では、ほとんどの利用者さんは、職員のことを子や孫を見る感じで、微笑ましくみてくれています。
そんなに厳しい目で見られてはいないので、楽しく安全にレクをすすめることに集中しましょう。
失敗を恐れる人は準備を万端に!
先に書いたように、レクで失敗があるとすれば、利用者のレベルに合わずに反応が悪かったり、ネタ切れして時間が余ってグダグダになったとかでしょうか?
これは準備を万端にすることで解決可能です。
具体的には、クイズなら問題を数多く、しかも優しい問題から難しい問題まで十分に用意しておく。
メインレク以外にサブレクを用意しておく。
例えば、メインが輪投げなどゲームだったとしたら、サブとして、歌、体操といった具合にジャンルが違うものを2つ、3つ用意します。
こうすることで、利用者さんの反応が悪い時は、違うレクに変更したり、時間が少し余ったらクイズや体操など隙間時間にできそうなレクを入れたりして時間いっぱい使いきることができます。
緊張は場数を踏んで打破!
人前に立つことで緊張するのって、場数を踏むことでかなり解消できます。
例えば、学校の先生など思い浮かべてください。
新任の先生は、見ているこっちにもわかるくらい緊張していますが、何年経ってもずっと緊張してる先生、見たことないですよね。
やはり場数を踏むことで、要領もよくなってくるし、ガチガチの緊張はしなくなるのだと思います。
私たちのレクは、毎回利用者さんの顔ぶれほとんど変わりません。
それこそ学校の先生と生徒に似ていますよね。
毎回緊張しているあなたも、場数を踏むにしたがって改善していくはずですよ。
反応の良い利用者さんを活用
まだまだ場数が足りなくて、レク中にどうしても緊張してしまう人は、相槌を打ってたり反応の良い利用者さんや、自分と相性のよい利用者さんをちらっと見てください。
安心します、自分の緊張がほぐれます。
そして、その利用者さんをうまく活用します。
例えば、「○○さん、この答えは何だと思いますか?」と声掛けしてみたり、レクに巻き込んでいきます。
そうして双方向でやり取りしていくうちに、他の人も案外つられて反応がよくなったりしますよ。
アイスブレイクを大事に
例えば、その日のレクのメインがクイズだとします。
いきなりクイズを始めませんよね?
食事でもメインの前に前菜があります。
体育でも水泳する前に、準備体操をします。
このように、メインのレクの前にアイスブレイクを入れて、その場の空気を暖めるのは、とても大事だなと思います。
例えば、今日は何月何日かという日付の確認や、その日はどんな日か話をしたり、新聞などから出来事を話し合ったり。
この時も、一方通行で話すのではなく、利用者さんを巻き込む感じですると、場の雰囲気が温まってメインレクがやりやすいですよ。
場の雰囲気を温めるのにぴったりの今日は何の日です ↓ ↓ ↓
何をすればいいか分からない(間が持たない)
レクってざっと何種類くらいに分けられるでしょうか。
- eスポーツ含む、輪投げなどの体を使ったゲーム系
- カードゲーム、ボードゲームなど座ってできるゲーム
- クイズ、脳トレなど頭を使うレク
- 折り紙、ちぎり絵、手芸、絵画、楽器など手先を使う文科系レク
- 体操などの体育系レク
- カラオケなど娯楽
- 散策
何をすればいいか、ネタに関してはネットやYouTubeに溢れかえっていますよね。
ネタそのものは、アイデアを頂戴して、道具がいるものは買ったり、作ったりして自分のレパートリーにするといいと思います。
脳トレ等はこちらにもあります。
なので、ここでは間が持たなくなって何をすればいいか分からなくなる場合を考えてみます。
間が持たなくなるのはなぜ?
間が持たなくなった経験ありませんか?
メインのレクがあまりウケなくて、中断したから、思ったより早く終わってしまって時間が余ったとか・・・
やばい、どうやって乗り切ろう と焦ったことないですか?
原因として
- メインレクが利用者さんの人数や、レベルに合ってない
- 時間配分が悪かった
- 準備が足りない
などが考えられると思います。
間が持たないを解決するには

上は1回のレクの基本の段取りです。
アイスブレイクとメインレクは必ず行いますが、隙間レクは基本入れずに、時間が余りそうな時や時間調整したいときに入れます。
この図を念頭に、レク担当になったときに段取りを組むポイントは
メインレクを決定
まずはメインレクを決定します。
あらかじめメインレクを決定してある施設もあると思いますが、やはりその日の利用者さんの数やレベル、職員の数や顔ぶれ(盛り上げに関わってきます)によって、その日のメインレクを予定通りいくか、変更するかした方がいいです。
たとえば、利用者さんの数がマックスで輪投げの順番が回らないとか、少なすぎてベンチサッカーが成り立たないとかもあるでしょう。
職員が少なくて、司会進行、見守り、盛り上げなど一人何役もしなければいけない時は、準備物の多いレクや、転倒リスクのあるレクは難しいですよね。
アイスブレイクを決定
メインが決まることで、メインにどれくらい時間がかかるか見通しが立ちます。
そこで、次にアイスブレイクを決めます。
メインが体を使ったゲームだったら、アイスブレイクは「今日は何の日」の後、クイズを入れる。
メインが折り紙など手先を使うなら、アイスブレイクに体操を入れて体を動かすなど、メインとアイスブレイクは、タイプが逆のものがお勧めかなと思います。
アイスブレイクで時間かかってメインが中途半端にならないように、メインとアイスブレイクの時間配分に注意です。
メインが輪投げのような、ひとりずつ順番にこなすような内容の時は、アイスブレイクは簡単にすませ、メインに入りましょう。
そして、メインの後に時間が余ったら、これから解説する隙間レクで時間を埋めます。
隙間レク
隙間レクというのは、ほんの数分から、伸ばせば何十分かできそうなレクのことです。
たとえば、ストレッチ、指体操、連想ゲーム、なぞなぞといった、準備もいらないレクのことです。
間が持たないのまとめ
以上のように、
- 自分の中で、レクの基本の流れを持っておく
- メイン、アイスブレイクを決定
- 隙間レクで時間調整
レク中に、何もすることがなくなった状態が、緊張をより一層高めるし、慌てふためいて「レクって苦手だわ~」につながると思います。
そのために、
- ネットや本など見て、メイン、アイスブレイク、隙間レク、すべてレクのバリエーションを増やしておく
- レクの時に、隙間レクにすることを書いたカンペを持ち込んでおく
などして置くと完璧ですよ。
そうやって成功体験を増やすことも、レク苦手脱出につながっていくと思います。
盛り上がらないという問題
レクを盛り上げるためには、メインレクとアイスブレイクでは盛り上げ方が違うと思います。
メインレクの盛り上げ方
メインレクは、まず
- レクの内容を合ったものにする
- フロアの職員みんなで関わる
- 鳴り物、声掛け
レクの内容を合ったものにする
レクの内容に関しては、その日の利用者さんのレベルに合ったものにするのは大前提ですね。
体がよく動く方が多いときは、ベンチサッカーなど盛り上がるでしょうが、逆の時は、座位でもできるようなスリッパ飛ばしや、歌レクやクイズなど、内容を変更した方がよいと思います。
フロアの職員みんなで関わる
レク担当、補助の職員はもちろんですが、できればフロアを通りすがりの職員、リーダーなどもちょっと関わってくれるとありがたいですね。
関わると言っても、通りすがりの職員などは、ちょうど点数が入った利用者さんに「よかったですねー」とか「すごいねー」とか声かけてくれたり、リーダーはタンバリンとか持たせておいて、記録書きながら鳴らしてもらったり
職場の雰囲気によりますが。
利用者さんに鳴り物を持ってもらって、盛り上げてもらうのもありですね。
鳴り物、声掛け
やっぱり鳴り物を使うと盛り上がると思います。
マラカスとか、タンバリンとかパフパフとか、にぎやかにお祭り気分を味わうには、もっとも手っ取り早い方法ですね。
そして、職員の声掛けです。
うまくいったときは褒め、しっぱいしたらフォローする心遣いです。
アイスブレイクの盛り上げ
アイスブレイクって、職員が話すことが多くなると思うので、なにか特別面白いことでも言わないと盛り上がらないのではないかと思われがちですが、とくにそんなことないです。
私が見た限りでは、アイスブレイクがうまくいかない人を見ていると、自分だけしゃべっていて、利用者さんが完全に聞き役になっています。
逆に、うまいなと思う人は、合間合間に利用者さんに声掛けたり、質問してみたり、しゃべらせています。
コミュニケーションを取りながらやってる感じです。
声掛け例
- 「今日は、土用の丑の日なんですよ、〇〇さん知ってました?」
「土用の丑の日って、何をする日ですか?」 - 「みなさんお正月はお雑煮食べましたか?」
「〇〇さんのおうちのお雑煮の具は何を入れてますか?」 - 「今日は芸能人の~さんの誕生日です。私はこの人はあまり知らないんですが、この方何をした人ですか?」
- 「今日は~祭りですが、昔参加したよって人いますか?」
- 「今大阪万博やってますが、万博で展示されたものは、未来で実用化されたものが多いです。こんなものあったらいいなってものありますが?」
「私は、どこでもドアが欲しいです。ドラえもんだけど」 - 「今日の昼ご飯の献立は何だと思いますか?」「肉だと思う人?」「お魚だと思う人?」
その日の出来事に寄せて、利用者さんが何か答えを返すような質問をします。
すると、誰かが答えて、それに対してまた、誰かが反応したりします。
クイズなども、誰かが答えたら「〇〇さんも、この答でいいですか?」とか、体操の時は、「〇〇さん、よく伸びてますね」とか。
声掛けをうまくするには
臨機応変に声掛けできれば、レクが苦にならないと思います。
それでも場数をこなして、慣れてくると少しずつ上手になっていくと思います。
でもそれまでは、やはり事前にある程度の準備は要りますね。
レクの前の日に、「今日は何の日」を予習したり、新聞に目を通しておいたりして、この話題で、こんなことを聞いてみようかな とか考えておくとスムーズに出来るかなと思います。
アイスブレイクのネタ
- 今日は何の日(高齢者向けに話題を選びました) ↓ ↓ ↓
- 地元新聞
お祭りや行事、地元のお花の名所に花が咲いたなど話題にしやすいネタがあります。
朝読めない時は、前日の新聞のネタでもよいです。
「昨日の新聞にこんなん載ってました」 - 新聞の一面コラム
朝日新聞なら「天声人語」、毎日新聞なら「余禄」ですが、地方紙にもあります。
社説は固いけど、一面コラムは、ちょっとほぐれていて話のネタに使えます。 - テレビやネットの地元ニュース
地元紙と同じで、お祭り、行事など地元の話題の宝庫です。 - 雑学本
特に子ども向けの雑学本って、ちょっとした話のネタにできそうなことが載っています。
まとめ
レクの苦手をなくすには、緊張がカギになると思います。
緊張するしないは、ずいぶん個人差があります。
それでも、場数をこなすことで、かなり改善することは間違いないです。
でも場数だけではなく、段取りをよくしてレクに臨むことで、余裕が生まれ、結果として、緊張を緩和できると思います。
つまり、緊張し過ぎないためには、段取りよくすること。
段取りとは、どんなレクをするか、どんなことを話すか、時間が余ったら何をするかなど事前の準備をすることです。
そして付け加えるなら、レクのバリエーションを増やすために、日ごろネットなどで情報収集しておくと尚よいと思います。