女の子の節句である、ひな祭り。
別名「桃の節句」ともいいます。
知ってるようで意外に知らないひな祭り、ひとつひとつに深い意味がありました。
ひな祭りの由来は?いつからあるの?
ひな祭りの起源は平安時代までさかのぼります。
正式な名前は「上巳(じょうし)の節句」、旧暦3月上旬の巳の日に行われていました。
上巳というのは災いに遭いやすい日といわれており、紙で作った「ひとがた」で体をなで穢れをうつして身代わりとして川や海へ流す風習(のちの「流し雛」につながったといわれています)がありました。
それと女の子がやっていた人形あそび「ひいな遊び」が結びついて現在のひな人形、ひな祭りへとつながったといわれています。
ひな飾り(菱餅やひなあられ)の意味は?
ひな祭りの由来にあるように、女の子の穢れや災厄をはらい、健やかな成長を願って貴族がひな人形を飾るようになったのが室町時代ごろのようです。
やがて江戸時代に幕府が季節の節目として定めると、次第に庶民にも広がっていきました。
現在のひなかざりを見ますと、結婚式をあらわしたものになっています。
女の子が良い結婚をできるようにという願いが込められています。
ひな祭りの飾りといえば、桃の花、菱餅、ひなあられ、三人官女や五人囃子・・・とありますが、それぞれ下のような意味があります。
●桃の花
邪気を祓い、災いをはねのけるパワーがある。
●菱餅
緑が新芽、白は残雪、桃色が桃の花を意味し、里山の風景をあらわしています。
なので色の順番が下から緑、白、桃色になっています。
健康、清浄、魔除けの願いがこめられています。
●ひなあられ
桃色、緑、黄色、白の色が四季をあらわしています。
一年を通して、健康、幸せを祈っている意味があります。
●白酒
邪気をはらうという意味があります。
●はまぐり
はまぐりは2枚貝で、決まった2枚しかぴったりと合わせることができません。
良縁成就と夫婦円満の祈りがこめられています。
七段飾りは何をあらわしているのか
ひな祭りには女の子が良い結婚ができるようにという願いが込められていますので、ひな飾りは結婚式を表しています。
雄雛、雌雛の2体のものや、三段飾り、七段飾りなどいろんなスタイルがありますが、ここでは七段飾りを紹介します。
七段飾りはメンバー15人の大所帯です。
●一段目
男女のひな人形一対。
実は、天皇陛下と皇后陛下をあらわしたものです。
向かって左に雄雛があるのが関東雛。
向かって右に雄雛があるのが京雛。
京雛は御所での玉座の位置がこのようになっているからだそうです。
(偉い人の方が向かって右)
関東雛がなぜこの逆になっているのかについては、
大正天皇が即位の礼で、偉い人が右(向かって左)という西洋式に変えられたから
だと言われています。
●二段目
三人官女。
宮中で皇后や姫様たちのお世話をする女性たちです。
真ん中の人形だけお歯黒の既婚者です。
●三段目
五人囃子。
音楽担当の5人グループです。
楽器担当4人、歌1人で、楽器は太鼓や笛です。
歌担当はマイクが無いので扇を持っています。
●四段目
随臣(ずいじん)といいますが、右大臣と左大臣です。
雄雛、雌雛を守るお仕事なので武器を持っていますが、雌雛担当の左大臣は老人です。
雌雛のそばに若い男性をおきません。
●五段目
仕丁(しちょう)といいます。
徭役(ようえき)という昔の強制労働に従事する人々なので、庶民です。
労働をするので、熊手や傘、ちりとりなどをもっています。
特徴的なのは三人それぞれ表情が笑い顔、泣き顔、怒り顔になっているところです。
表情豊かな娘に育つようにという親の願いが込められています。
また仕丁の横に橘と桜の樹がありますが、橘が不老長寿、桜が魔除けの意味があります。
●六段目
嫁入り道具。
たんすやお化粧道具など嫁入り先で使う道具類です。
●七段目
輿入れ道具。
高貴な方々の乗り物です。
御所車、おかごです。
まとめ
ひな祭りの由来や、飾りの意味、七段飾りが結婚式を表していることなど説明してきましたが、現在は結婚に関する考え方や形も、多種多様で随分変わってしまいました。
でも、まとめるとひな祭りって
●娘の健やかな成長を願い
●幸せな人生を送って欲しい
という親の願いが込められたものであり、それは、時代がどんなに遷り変っても不変のものだといえますね。