啓蟄
3月6~20日頃。
「啓」は開く、「蟄」は冬ごもりしている虫のこと。
なので「啓蟄」とは、冬ごもりしていた虫たちが土の中からもぞもぞと這い出てくることです。
ちょうどこの頃になると、冬の間はあまり鳴らなかった雷がなるようになり「春雷」と呼ばれています。
その「春雷」を合図に虫たちが春の訪れを知り、出てくると考えられていたので「虫出しの雷」とも言われています。
【春風、春嵐、春疾風・・・】
この頃は大気が不安定で、暖かい日が数日続くと思ったら、また冷える日が何日が戻ってきたり(「三寒四温」)して、体調をくずしがちになります。
その不安定さのせいか、この頃の気候を表す言葉も多くあります。
おだやかで暖かな風の「春風」、恵みの風を表す「恵風」。
低気圧が勢いを増しながら進むことで強風が発生する「春の嵐」や「春疾風(はるはやて)」。
春の日の光の中をそよ風が吹き渡る様子を表した「風光る」、季語にもなっています。
【卒業式シーズン】
3月といえば卒業式のシーズンです。
日本における卒業式は明治時代に始まったそうです。
卒業式ソングの定番は「蛍の光」「仰げば尊し」でしょうか?
(時代が変わって現在は歌わないみたいですが)
どちらも元は外国の歌と言われています。
歴史は古く、誰もが知ってる卒業式の定番ソングなのに、日本語詩は誰の作詞か不明だそうです。
ちなみに現在の卒業式定番ソングは、「3月9日」(レミオロメン)、「YELL」(いきものがかり)、「道」(EXILE)、「桜」(コブクロ)などなど。
【海開き】
3月下旬。
同じ日本で寒の戻りでブルブルのところもあれば、沖縄県のように早くも海開きが行われるところもあります。
日本の長細さゆえですね。
また、西日本では「潮干狩り」が始まる所も。
日照時間が延びていくこの時期は、紫外線対策も意識しないといけませんね。
3月20日は「日焼け止めの日」です。
七十二候
二十四節気啓蟄の候は以下の3つです。
初候: 蟄虫戸を啓く(すごもりのむしとをひらく)
3月6~10日頃。
蟄虫(すごもりのむし)とは、地中で冬ごもりする虫のこと、その虫が戸をひらいて動き出す頃という意味です。
また「虫出しの雷」とも言われる「春雷」がゴロゴロとなる頃です。
次候: 桃始めて笑う(ももはじめてわらう)
3月11~15日頃。
桃の花がほころび始める頃です。
笑うとは蕾が開き始めるということです。
末候: 菜虫蝶と化す(なむしちょうとかす)
3月16~20日頃。
菜虫とは蝶のことです。
さなぎから蝶へと羽化する時期ということです。